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サロン・ド・リーブル・ジュネス(2003)

更新日:2018年5月23日

■2003年11月26日~12月1日の間、フランスのモントルイユで開催された 『サロン・ド・リーブル・ジュネス』(こどものための本のサロン)。 2003年の招待国が日本ということで、日本の児童書やマンガなどがたくさん紹介され、 招待作家の講演会やワークショップなども開かれました。 8plusは小出版のコーナーに参加させて頂くことになり、 こんな機会は二度とない!と思い、短期間ですが私もフランスへ飛ぶことにしたのでした。







↑サロンのポスター。 パリの街のいたるところに。

■11月25日(火) 5:30起床。天気予報どおりの雨。 仕方がないので、旅行かばんをリュック仕様にする。 学生時代にした貧乏旅行を思い出すなあ。。 ビニール傘をさして巨大なリュックをしょって、駅まで約20分歩く。 すでにこれだけで疲れる…。 中央線はラッシュの時間帯なので、大きな荷物はかなり邪魔物で困る。 8:03新宿発の成田エクスプレスに乗り、成田空港へ。 今回私は、出版関係者のツアーのようなものに紛れて(?)行くため、 集合場所で参加者のみなさんと体面する。 同じ小出版のコーナーに参加するスカイフィッシュ・グラフィックスのKさん以外は みなさん初体面 。 K書店のK社長、翻訳のEさん、R社のKさん、B出版のMさん、C社のSさんというメンバー。 他にも何人か、微妙に違う日程で参加される方がいるのだけど、 とりあえず、同じ便で出発するのは、こじんまりと7名でした。 飛行機では、Kさんとお隣りに。 乗り物に乗ると、必ずと言っていい程眠くなる私は、ここでも例にもれずかなり爆睡。 11時間50分の空の旅は、まあ普通にしんどい。 パリに到着すると、フランス著作権協会のカンタンさんが出迎えてくださる。 流暢な日本語がすばらしい。私よりも敬語がうまい…。 マイクロバスに乗って、リヨン駅に隣接するホテルへ。 19時からミーティング。サロン主催者の方から、サロンについての説明を聞く。 お土産にマカロンをもらったのだけど、これが色とりどりでかわいい。 色も味も全部違うらしい。うれしい。 みんな疲れて少々モーローとしていたけれど、ミーティング後、とりあえず夕食に。 リヨン駅前の食べ物屋さんは、なかなかうまいらしい。海産物が有名とか。 参加者の親睦を深めるため(?)、ちょうどシーズンが始まった生ガキを食べに一軒へ。 疲れていたくせに、調子に乗ってボージョレ・ヌーボーを飲んだ私は、 帰り際に、いつものめまいにおそわれてしまい、みなさんに迷惑をかけてしまいました…。反省。 少し休むと、いつものごとくよくなったけど。 K社長、どうもごちそうさまでした! しかし、私はやっぱり今回のツアー内では場違いかも。 何しろちゃんとした(?)出版社じゃないからなあ。。






↑リヨン駅のシンボル、時計台


■11月26日(水) 朝はリヨン駅周辺を散歩。大きな駅なので、お店もいろいろあって便利そう。 歩いてバスティーユ広場まで行けるらしい。 リヨン駅のシンボルは時計台なので、迷ってもとてもわかりやすい。 地図と水とテレホンカードを買うべく、試しにフランス語をしゃべってみる。 昼前までに、サロンの会場へ。 小学生の集団(社会見学?)がとにかくいっぱい!子供でごったがえしていて、びっくり。 会場の規模自体は、ちょうどよい感じ。 フランスの各出版社が、ブースを出している。MANGAも人気。 日本のブースは、うーむ。。もっと数と品揃えがほしいなあ。 8plusは日本のブースではなく、小出版のコーナーで取り扱ってもらっているので、 そちらへ向かう。 今回のことをきっかけに、8plusの絵本を買取って下さり、フランス国内外で ちょこちょこ販売して下さっているJoker Art DiffusionのJovanaさんとKarimさんに再会! 彼らのブースで8plusやスカイフィッシュ・グラフィックス、Loule、 イラストレーターの飛田京子さんの絵本などを扱っている。 彼らの扱っている本はアート系なので興味深く、いろいろと見せてもらう。 今回、フランス側とのやりとりを間に入って通訳して下さったYさんとも再会。 Yさんはフランスに留学していた学生さんなのだけど、しっかりしている。そしてかわいらしい。 Jovanaさんに、小出版ブースの他の出版社をいくつか紹介してもらう。 お昼の後は、会場をめぐって散財。本当に欲しい本なのかどうか、もうわからなくなる…。 雰囲気に惑わされているのだろうか?? 夕方からは、いよいよオープニングセレモニー。しかし日本人が少ない。 招待作家の、いわむらかずお氏、駒形克己氏、藤野千夜氏の姿を発見。 (ちなみに他の招待作家は、五味太郎氏、辻仁成氏。) ご挨拶したいけれど、どうしていいかわからない。 R社のKさんが、いわむらかずおさんを紹介して下さる。 いわむらさんの名刺には、カエルの姿が!わーい。感激。 その後、日本会場にて、K社長が挨拶。 フランスの文化大臣と県知事は、会場に来ていたのに、なぜか挨拶なしで帰ってしまう。 文化大臣の姿に反応し、デモのなごりの抗議の叫び(?)が会場のあちこちで起こる。びっくり。 ワインやシャンパン、やきとりなどの立食パーティーだったのだけど、 どう見ても中国の提灯がディスプレイしてあって笑える。シノワとジャポンの混同…。 ここで、N書店のN社長とお会いする。N社長、なんだか面白い方だなあ。 サロンの会場内では、各出版社がそれぞれにオープニングという感じでお酒をあけていた。 みんな楽しそう。 小出版のコーナーでも、みんなで乾杯。 飛田さんとも何年ぶりかで再会。





↑サロンの会場





↑8plusの本が!証拠写真





↑小出版コーナー


■11月27日(木) 今日は唯一フリーの日。 海外で、まるっきり一人で一日行動するのは実は初めて。ドキドキするようー。 朝からまず、郵便博物館へ。途中迷うが、どうにか到着する。 人が少なく見応えがある。マネキンがコワイ…。 切手ってやっぱり楽しい。お買得なNOELパック(?)の古切手を購入。 マレ地区へ移動して、アート系の古本屋CULTUREへ。倉庫っぽくって、なかなかよい雰囲気。 続いて、周辺をぐるぐる迷いながら、古絵本のお店Paginaireへ。 TINTINやマンガ系が充実していて、みんなけっこうなお値段。アンティーク雑貨も扱っている。 かなり物色したけれど、たまたま私の求めているものはなかった。でも小さなマンガを購入。 けっこう疲れたので、遅いお昼を食べにサロン・ド・テへ。とても感じのよいお店でホッとする。 キッシュのプレートを食べる。やはり量は多いけどおいしい! かなりくつろいでしまう。 一息ついて、お目当てのニット屋さんCELISへ。 指人形に目は釘付け!いろんな童話のキャラクターや動物などがいっぱい。すべて手編み。 さんざん迷ったあげく、赤頭巾+オオカミ、3匹の子ぶたの1匹+オオカミ、白雪姫+小人を購入。 かなりうれしい。誰にあげようかな。 お店を出ると外はもう暗い。一番行きたかったBibliotheque Forneyへ向かう。 アンドレ・フランソワのポスター展をやっていて、これがよかった!かなり見応えあり。 作品はいろんなところで目にしていたけれど、今までノーチェックだったのが自分でも不思議。 これもまた迷ったあげく、分厚いカタログを購入。 どうせ日本でも手に入るんだろうな~。 でもここでポスター展を見れたのも何かの縁だし、こっちで買った方が安いからいいのだ。 疲れた足でポンピドゥーセンターへ。やはり目立つ建物だ。 『リサとガスパール』のリサも住んでたっけ(笑)。 ジャン・コクトーとSOPHIE CALLEの展覧会をやっていたので観る。 コクトーの展示は見せ方も凝っている。コクトーの日記を読みたくなった。 SOPHIE CALLEの展示は、フランス語が読めなかったのが残念。面白かっただけに。 もう足は限界に近く、ヨロヨロしながら常設展示へ。 現代アートの有名どころが続々と登場。とても全部をみる気力はなく、流す。 建築や家具のコーナーもあり、柳宗理のバタフライスツールもやはりありました。 本当にもう限界だったので、待ち合わせの21時までカフェで休憩。 けっこう歩くのには自信があるのだけど、下が石畳だから疲れるのだろうか? ポンピドゥーのショップは、残念ながらスト中で閉鎖のまま。 買いたい本があったのになあ。かれこれ2~3週間続いているらしい。 21時、無事に、パリに留学中の友人Aちゃんと会える。元気そうで何より。 近所のギリシャ料理屋へ連れていってもらう。 彼女はかれこれ3年もパリにいるのでフランス語は上手。素敵。 近況や、フランスと日本の違いなどを語り合う。 彼女はこっちでも美大に通っていて、作品ファイルを見せてもらう。 Aちゃんのやっていることがよくわかった。お互いがんばりましょう。 Aちゃんのガッツには本当に感服します。 やはり、やる人はやるのだ。どんな状況でも。






↑夜のポンピドゥーセンター


■11月28日(金) 午前中はバイヤール社を見学。バイヤール社は、フランスの出版社全体でみても 3本指に入るぐらいの規模の大きな会社らしい。児童書ではもちろん1番。 セーヌ川のほとりで、窓からエッフェル塔が見えたりするオフィスは、 建物自体は古く歴史があるけれど、中身はオシャレで機能的で、なんともうらやましい環境。 いいなーこういう所で働きたい。 私たち日本側の見学者から、質問もいろいろ出て、見学時間はかなり押しぎみ。 お土産にバイヤール社の出版物一式をドカッといただく。その数、なんと20冊以上! 嬉しいけど、かなり重い…。しかし太っ腹!さすがだなあ。 移動して(バスで。これが日本の通勤電車なみの混みよう!ひー)、 フランス出版協会にて懇親会。 フランスの出版協会の建物は、歴史ある趣きでまたまた素敵。 お昼は立食。出版社の方々は、わりとフォーマルな格好。 私のような出版社もどき(?)の人間は、やっぱり場違いだなあ。 大きな出版社の人と、何を話していいのかわからない。 そもそも、売り込みをしようという気持ちで来ていないことが問題。 カタログすらないし(苦笑)。 この意識の低さは、やはり仮にも出版社(者)として問題ありだと反省。 とりあえず、飲み食いに逃げる(笑)。親切なフランスの方が話しかけて下さる。 その場をしのぎ、時間切れで下のディスカッション会場へ写ることに。 16時から小出版の方で打ち合わせが入っていたため、 Kさんと私は、ここで退散してサロンの会場の方へ。 後で聞いた話によると、ディスカッションは、仏側の質問攻めで大変だったそうな。 とにかく日本側の参加者が少なすぎると思う。 サロン会場は、今日も人が多い!連日大盛況ということは間違いない。 広告もあちこちで打っているし、すごいことです。 『THE NIGHT BOOK』の出版に興味があるというM社のクリスティーンさんと打ち合わせ。 著作権の買取り率などの話を伺う。 私はてっきり、同席したスカイフィッシュさんの本の方がメインで、 うちはついでだろうと思っていたので、まあ参考までに、という意識で話をきいていた。 とりあえず、いろんな人に相談して検討してみるということで、ブースへ戻る。 フランスの人は、とにかく絵本を手にとって見てくれるのでうれしい。 やはり素材的に珍しい『I go for a walk』が人気かな? うろうろしていると、先程のクリスティーンさんがやって来て、 まず『THE NIGHT BOOK』を出したいので予約(?)したいと言うではないか! えっそうなの?とびっくりしつつ、『THE NIGHT BOOK』は別に大きな出版社から 声がかかることもないだろうし(笑)、印税率や発行部数なども別に問題ないのでOKという返事をする。 M社の出版物は、アート色が強くユニーク。 クリスティーンさん自身もアート関連のお仕事(展示や図録制作など)をされているし、 旦那さんはアートディレクターらしい。 そのような出版社から、出版の話を頂けただけでも、十分です。 M社の絵本や詩集、カタログなどをいただく。 同意書などは、後日メールで、ということで固く握手をかわす。 まったく期待していなかったので、まさかこんなことになろうとは…! 本当に有難く嬉しい。世の中、何が起こるかわかりません…。 出版が本当に実現するかは、まだわからないけれど、話を頂けたという事実だけでも 私にとっては、信じられない出来事です。 20時から小出版コーナーでは、軽くパーティー。 またまたワインとおつまみ(日本のおかきやナッツ類)でだんらん。 Jokerから絵本の出版が予定されている飛田さんは、まさに“サンパな人”で、 仏語も少しできるし、場を明るくしてくれる。素敵。 いいな~、こういうコミュニケーション能力が、自分にはないのでうらやましい。 記念撮影などをしつつ、結局会場が閉まる22時までいた。 帰りは、JovanaさんとKarimさんが、ホテルまで車で送ってくれました。 お土産までもらってしまった。本当に何から何まで感謝です。 疲れたので、ちゃんとしたご飯も食べずに就寝。





↑ぼんやりエッフェル塔とセーヌ川


■11月29日(土) いよいよ最終日。 早起きして、同室のSさんと共に、ヴァンヴの蚤の市へ。 とにかく寒い!凍える! 蚤の市は、ちょうどよい感じ。子供の絵を集めた本や、昔の広告などを購入。 欲しかった25ユーロの絵本は、高いし分厚かったので仕方なく諦める。 近所のジョルジョ・ブラッサンス公園の古本市へ移動。 時間がないので、さくさく猛スピードで見回る。 ここでようやく、私の求めていたような絵本とめぐりあう。 スキャリーのABC絵本とプロヴェンセンの音楽絵本をそれぞれ5ユーロで購入。 なぜフランスで…と思いつつも、仏語版というのもまたよろし。 12時のチェックアウトに間に合うべく、大急ぎでホテルへ戻る。 結局15分程遅れてチェックアウトしたのだけど、問題はなかった。 私の荷物は小さめのソフトケースなので荷物が入りきらず、 Sさんのトランクへ入れてもらうことに。。 すみません…しかも重いものばかり…。 お昼を食べ、Sさんは再びサロンの会場へ。私はバスティーユの方を散策。 バスティーユも大きく、いろんなお店があって楽しい。 運河沿いもよい感じ。 駅前の木には、クリスマスプレゼントがいっぱいぶらさがっていて、かわいかった。 15時半にホテルでSさんと待ち合わせして、 タクシーを呼んでもらってシャルル・ド・ゴール空港へ。 なぜかANAには長~い列が。ここで、同じ便で帰るMさんとも会えた。 搭乗するまでに、とにかく並ぶこと3回。えらく待たされたけれど、無事に出発。 飛行機の座席は、Sさん、Mさんと一緒だったので、しばらくおしゃべり。 もちろん曝睡もしました。 成田に着いてから、荷物を一部宅配で送り、バスで吉祥寺へ。 さすがに疲れました。。 でも短いながらも、よい旅でした。 こういう旅は初めてだったけれど、おもしろかった。 またいろんな形で、いろんな旅ができたらいいなあ。 しかし、海外へ行くといつも痛感するのだけど、 せめて英語だけでもしゃべれるようになりたいものです。

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